しっかりと考えてサービスを利用しよう

在宅医療では、支援を必要とする人への対応をほとんど身内だけで行います。もちろん担当医はいますが、それでも大部分を占めるのは身内です。

在宅医療を選択した理由としては、病院や施設の空きが無く順番待ちに並んでいるとか、本人の意思表示によるもの、或いは経済面の問題などもあるかも知れません。この場合、原因がどの様なものであっても、介護の取り組み全体を、身内や家族だけで賄おうとする姿勢になってしまいます。
数ヶ月の短期間であれば、ゴールの位置が見えている分だけ心理的な忍耐もできるでしょうが、高齢者支援の場合では対象者の最期を見届ける事がゴールという位置づけになります。そのゴールを迎えるのがいつになるか分からない分、長期化してしまえば精神的な部分と経済的な部分の両方から問題が出てしまい、継続的な支援を行う事も難しくなるでしょう。

そこで、通院が難しい場合を支える訪問医療などの訪問系サービス、レクリエーションを通じて第三者との接触から心理面を支える通所系サービスを周期的に活用する事を考えましょう。
この場合、活用するサービスの質と幅に多くを求めがちになります。しかし、これを追求してしまうと費用の負担額も相当なものになってしまいます。多様さを求めるのではなく、現状足りない部分を外部サービスで補うという視点に切り替え、身内と家族に休息の機会を与える事と、要支援者の気分転換の機会を与える為に活用するという考え方を持つ事が大切です。
在宅で利用できる介護のサービスはどのようなものがあるのか、こちらの在宅医療・介護推進委員会で紹介されているため、読んでおくと参考になるでしょう。

また、高齢者の場合は行動面での制約が強く掛かるだけに、在宅介護では外出の頻度が極端に低下します。外出の機会を多く持つ事で得る新たな発見は、心理面の改善に特に大きな力を秘めています。